最近

 うちのサイトにはプロポーズねたがない(厳密に言うとなんちゃってプロポーズみたいなのは感想とかで書いた気がしますが)気がしてきました。それ以前に告白ねたも少ない気がしますが。
 そんなわけで、幾つか妄想したプロポーズの中の一つです。あまり素敵な話ではないです。なんつーかな感じです(笑)。

 拍手ありがとうございました(平身低頭)。嬉しいです☆
 あとご連絡ですが、8月16日〜24日まで、帰省します。最大の目的ははりーなぽったーの最終巻を詠むためです。その期間は再びネットから落ちますのでご容赦のほどを。

 では、続きをどぞ。


 クーデターが成功裏に終わり、新しい体制が徐々に軌道に乗り出して、漸く世の中が安定し始めた。そんな矢先、彼の悪癖が再開したのだ。

 逃亡癖。

 中央司令部の広い敷地内では、嘗ての勝手知ったる東方司令部とは違って手間取ることは確実で、更に言えば、准将となった彼は、当時よりも重要人物であって狙われる危険度は上がっている。それなのにこんなことをするなんて!と腹が立った。
 見つけたのは司令部の隅の木漏れ日の気持ち良い芝生と花壇のある小さな庭のようなスペース。確かに誰も来ないような場所だ。証拠に、芝生の長さはまちまちだった。そこにごろんと寝転んだ彼のお腹を枕にして、愛犬のハヤテ号も寝転んでいたのには怒りを通り越して呆れてしまった。
「将軍」
 腰に手を当てた仁王立ちのポーズで厳しい声を作ると、ゆっくりと瞼が動いて数秒。寝起きのぼんやりとしたものから緩やかに笑みを浮かべた表情へと変化する。
「やあ、君か」
「・・・『やあ、君か』じゃありません!サボってこんなところで何をしているんですか!しかもこんなに無防備に・・・」
「無防備じゃないさ。優秀な護衛がいる」
 ふよふよとしたハヤテ号の毛並みを撫でるその手つきが気持ち良いのか、飼い主の気配に特には反応することもなく、我が愛犬は黒い耳をそよそよと揺らしてご機嫌な様子を見せた。
「言い訳はそれだけですか?時間短縮のために、お説教は移動中にいたしますので帰りますよ」
「起こして」
「何でそんなに世話が焼けるんですか・・・」
 ハヤテ号の背をぽんぽんと叩いてどかしたその手を、今度はついと私の方に差し出した。その手を取って、彼が寝転んだ姿勢から座った姿勢になったところで、一瞬止まったのを逃さず、彼が「リザ」と何故か軍部内で名を呼んだ。
「何ですか?」
「結婚、しよっか」
「・・・・・・は?」
 いきなり何を言い出すのだ、この人は。
「何、を、突然・・・急に・・・。変な冗談を言われても誤魔化されませんよ?」
 明らかに狼狽した私の負けなのかもしれないが、この際は仕方がない。
「しょうがないだろう。今突然言いたくなったんだから。それに歴としたプロポーズだよ」
 しれっと表情も変えずに言い放つ彼に、今度は漸く事実が理解に達し始めてカッと顔どころか身体中が真っ赤になるくらいに熱くなる。
「馬鹿なことを仰らないでください」
「馬鹿なことじゃないさ。お互いに一番に信頼してて、安心できて、大切にしたくて、愛おしいと思える存在なんだろう?少なくとも私にとってはそうだ。それなら結婚するしかないだろう」
「・・・・・・・・・」
 どうしてこう、こっぱずかしいことを屋外で昼日中平然と言えるのか。
「何か?」
「・・・サボり癖があったり、家事能力が壊滅的だったり、ピーマンとか嫌いだったりするような旦那様を持つ気はありません」
「根の詰めすぎで潰れかけた君もこういったことなら息抜きできるだろう?家事能力はなくても壊れたものを直したりとかはしているし、上手く補完し合ってるじゃないか。それに君が嫌いなカイワレダイコンとか食べてあげられるんだぞ?」
「! カイワレダイコン、辛いじゃないですか!」
「ああそうだね。その原理だとピーマンは苦いじゃないか。いや、それにしても『旦那様』って響き、良いねぇ」
 うっとりとした表情。ぐっと詰まってしまった私とは対照的なのだろう。ハヤテ号が、ぱたぱたと尻尾を振りながら私と彼とを見比べている。
「師匠の娘と師匠の弟子。お兄ちゃん代理と可愛い妹代理」
「可愛くなんてありません!」
「いやだからそうゆうところが可愛いんだってば。で、戦友で上司と部下。あ、士官学校を考えれば先輩後輩にも一応なるのか。そして恋人同士か?それに夫婦という関係性が足されるだけじゃないか」
「足されるだけ、とかじゃありません。そもそも恋人同士だったんですか?!」
「ひどーい、リザちゃん」
 わざと?何で自覚ないの?俺、「好きだよ」とか言ったよねー?えー、じゃあ今までなんだと思ってたのー?
 不貞腐れた(100%演技だ、きっと)顔で文句を言い出す彼に、何となく後ろめたい気分でぼそりと呟く。
「世話の焼ける上司兼父の弟子の、お守り?」
 はぁあああ、と魂が抜けるような大仰な溜め息を吐いて見せてきた彼は、じっとりと恨みがましく、それでいて性悪な笑みを押し隠したような表情をする。
「まあお守りって思ってるってことは、君、私は君がいないとダメなんだ、ってことを認識しているんだろう?そういうことだ。だから、結婚」
「私は貴方のお世話係じゃありませんよ」
「お世話係なんて言ってないだろう?妻だよ。可愛い奥さん。すうぃーとはにーってやつだ」
 さらりと。何でそんなことが言えるのだろうか。顔が熱いを通り越して痛い気がする。
「・・・貴方は、断られるという単純に考えて二分の一の確立の方を忘れていますよね?」
「だって君に断られるとは思ってないし。私が君がいないと生きてけないーってのと同じように、君だって私がいないとなんかこう、ダメそうだから。忘れたか?」
 言葉が思い浮かばない。事実その通りなのだから。彼が私に対する以上に私は彼に多くを依存している。そして彼の言葉をなぞるわけではないけれど、私にとって彼が世界で一番信頼してて、安心できて、大切にしたくて、愛おしく思う存在なのだから。

「私・・・」
 真っ赤な仏頂面を崩さないまま、視線を彼からずらし続けるべく躍らせる。こんなに恥ずかしいだなんて!
「ん?」
「プロポーズって、もっと・・・こう、ロマンチックなものだと思っていました」
 一瞬呆気にとられた彼が大きく破顔した。その笑顔が大好きで、私は絶対に勝てない。そのまま勢い良く立ち上がって抱き締められた。
「それは失礼したね?」
 腹筋が震えているし、声だって笑みが滲んでいる。ハヤテ号がぐるぐるぱたぱたと私たちの足元をうろちょろしているのが、余計に恥ずかしさを煽る。こんなところ見られたらと思いながらも、身体が上手く動かない。・・・本当にここが人通りのないところで良かった。
 顔を見せられない。ずるずると私の顔が胸に収まったのを、羞恥心ゆえだと以心伝心で理解した彼が頭を撫でてくる。ようやっと彼の笑いも止まってきつつあるらしい。

「それでお嬢さん。お返事は?」

「                  」





 たぶんプロポーズは、未来の捏造ご夫婦ものに続いていくのでしょう。
 ロマンの欠片もありませんでした。うーん、こういうのもありかなー、と思いつつ。増田ならもっと考えてやってくれると信じています。笑。
 あと何パターンかはいける気がする・・・。

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